ご挨拶
人形劇団ひとみ座代表より、2024年 年頭ご挨拶
新年明けましておめでとうございます
人形劇団ひとみ座の活動を応援していただきありがとうございます。
創立75年を迎えたひとみ座は今年も気持ちを新たに人形劇の上演を中心とした活動を元気に続けて参ります。
2024年新しい年の始まりですが、能登半島地震の被害は日を重ねるごとに大きくなっていきます。震災で亡くなられた方々へのご冥福をお祈りするとともに被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
世の中が平和で健康でなければ人が人としてより良く生きることはできません。しかし、ウクライナにおけるロシアの軍事侵攻は未だに続き、イスラエルでの紛争は深い根を持って再発し、戦争状態にあります。一方コロナ禍は国内では、メディアに取り上げられなくなりましたが、終わっているわけではありません。
いろんな憂いがあり、さまざまな情報の真偽も確かめられない中でも私たちは目の前の事に懸命に生きています。考えるだけで何も変えることはできませんが、私たちはとにかく、今を生きていくしかないのだと思います。だとしたら、今、この時間を自分たちができる事を、人と繋がりながら楽しくやっていこう!と思うのです。
結局のところ、楽しい人形劇を創って心が動く時間を共有すること。これしかありません!
演劇はそこに人が集まって成立するもので、観客の人数には限りがあります。人形劇はアニメーションやコンピューターグラフィックのように一度に多くの人に見せることもできないし、リアルでもありません。でも、観ている人が想像力で補う事で私たちの人形から発信した情報は、観ている方それぞれの心の中でそれぞれの物語を紡ぎあげることでリアルを超越するのです。
いつも思う事ですが、観た人が人形に命を与えます。
その力を信じて力強く活動を進めて参ります。
今年度75周年事業は昨年度の「モモ」、「どんぐりくらぶ」に続き夏の「弥次さん喜多さんトンちんカン珍道中すぺしゃる」、「はてな王子といっしょ」、そしてラストが3月の「花田少年史」です。
70周年の「どろろ」同様、多くの劇団員が舞台に立ち、私たちの今をアピールします。
この公演のテーマは原作にある笑いと涙、そしてコロナ禍から脱却し、未来へと進むひとみ座のエネルギーです。
どうか、大勢の人にこの時間を共有していただきたいと思います。
その他、全国の文化施設での公演、学校上演、幼稚園保育園上演、乙女文楽、デフパペットシアターひとみの公演、全国のおやこ劇場子ども劇場、テレビの人形の操演、ワークショップ、日生劇場の公演への参加、ひとみ座寄席、また新しい取り組みとして小さな作品の連続公演「カフェde人形劇」などなど、新しい作品も含め、元気に活動して参ります。
今年も人形劇団ひとみ座をどうぞよろしくお願いいたします。
2024年1月 ひとみ座代表中村孝男