『マウイチキチキ』公演画像 1998年再演・1988年初演
『マウイチキチキ』について
  1988年3月初演 『南の島の少年マウイチキチキ』 
  (人形劇団ひとみ座40周年記念公演・青山円形劇場) 
  1998年3月再演 『マウイチキチキ』(地球市民かながわプラザ) 
  あらすじと共に、公演の画像をお届けします。 
  なお、あらすじ付きの公演画像は、1998年再演当時のものを使用しています。 
  その後が、1988年初演時の舞台画像になります。(お話の順番は一緒です。)
  この人形劇は、ニュージーランドのマオリ族の神話を元に作られました。 
  「マウイ」が登場する神話は、ハワイやタヒチなどポリネシアにも伝わっています。 
  お芝居の関係上、要素はアレンジしてある部分がございます。ご了承ください。 
  ディズニー映画「モアナと伝説の海」をご覧になった方は、思い当たったかもしれません。
  竹のマリンバを始めとする創作楽器での生演奏や、仮面劇の要素を盛り込んだ作品です。 
  公演画像の後に、主演をつとめた中村孝男所有、再演時の脚本の一部を掲載しています。 
  書き込みなど、どの様にお芝居を作っていったのかが分かるかと思います。 
  そちらもぜひお楽しみ下さい!
1998年3月再演『マウイチキチキ』公演画像&あらすじ
   ずいぶん昔の話だ。人間がこの世に生まれたばかりの頃の話だ。
  
  南太平洋の大海原の小さな島の一つで、 小さな赤ん坊、マウイが生まれました。
  「この子はとても育たない。神様のもとにお行き。」
  お母さんは、マウイを自分の髪の毛で包むと、海に流しました。
  カモメやクラゲ達が世話をし、マウイは、海の神のもとで育てられました。
   マウイは立派な少年になって島に戻って来ました。
  マウイは立派な少年になって島に戻って来ました。
  しかし、3人のお兄さんたちは、マウイを一人前として見てくれません。
  元気のいいマウイは、お腹がペコペコ。
  マウイは、女神さまの捧げものを食べてしまいます。
  そして現れた女神に、自分は唯一の子孫だと名乗ります。
  そして、魔力を持つ、下あごの骨をもらいます。女神は、5種類の穀物を自らの身体から生み出し、人間に食料をもたらしました。
  その魔力で、マウイはいろいろな動物に変身することが出来るようになりました。
   魔力を得たマウイでしたが、一向に働くことはなく、寝てばかりいました。
  魔力を得たマウイでしたが、一向に働くことはなく、寝てばかりいました。
  そんな折、村では火が消えてしまい、女たちが困っていました。
  母親にも甘やかされ、働かないマウイに腹を立てた兄たちは、
  マウイを火の神様の住む、火の山へ、火をもらいに向かわせます。
   火の神様は、自らの指を差し出し、火種をくれました。
  火の神様は、自らの指を差し出し、火種をくれました。
  しかし、やすやすと目的を達してしまった事が不満なマウイは、いたずらを始めます。 
  自分で火を消しては、何度も火をもらいに行くマウイ。火の神様は怒り、大火事を起こします。 
  すると木の中に火種が宿り、人間は木をこすり合わせただけで、火が起こせるようになったのでした。
   マウイは、兄たちと船に乗り、釣りに出掛けます。兄たちは次々と魚を釣っていきます。
  マウイは、兄たちと船に乗り、釣りに出掛けます。兄たちは次々と魚を釣っていきます。
  マウイは、女神のあごの骨を釣り竿に付けます。すると大物の手ごたえ。 
  みんなで釣り竿を引き上げると、なんと釣れたのは、島だったのです。
   昼間の時間、人間たちは忙しく働きます。食べ物を探して狩りをしたり。
  昼間の時間、人間たちは忙しく働きます。食べ物を探して狩りをしたり。
  マウイは、昼の時間が早いのは、太陽が早く駆け抜けてしまうからだと考えました。
  マウイは、協力してくれる鳥や兄と、太陽の休む、洞穴に向かいます。
  出口に綱をかけ、太陽を捕まえると棒で叩きのめし、太陽の歩みを遅くさせました。 
  すると、今のように昼の時間が長くなり、人間たちはとても喜びました。 
  しかし神々の間で、マウイを憎む神も増えていったのです。
  その頃、人間は死ぬことがありませんでした。 
  死の女神が、死の神殿でぐっすりと眠っていたからです。 
  ある日、マウイの父親が、地の底から帰ってきました。 
  マウイの母親に会うと、マウイの行動が心配だと話します。 
  産まれた時から、マウイ、死の女神を目覚めさせ人間に死をもたらす存在だと分かっていました。 
  そのため、母親はマウイを海に流したのでした。
  しかし、海の神に助けられ、村に帰ってきたマウイ。 
  母親は死の神殿に行かないように、いつもマウイを自分のそばに置き、守っていたのでした。 
  両親の会話を盗み聞いた兄たちは、マウイにしかできない特別なことだとそそのかし、 
  死の神殿へ向かわせます。おしゃべり鳥と共に、死の神殿にマウイはたどり着きます。
   その入り口は狭く、なかなか入ることが出来ません。
  その入り口は狭く、なかなか入ることが出来ません。
  いもむしに変身したマウイを笑う、おしゃべり鳥たち。 
  その声に、死の女神は目覚め、マウイを捕まえます。 
  マウイが入っていったのは、死の女神の体の中でした。 
  こうしてマウイは死に、また、人間も死ぬ事になったのです。 
  人々は、マウイは人間の役に立つことをしたと言いました。 
  また他の人は、マウイは人間に災いをもたらしたとも言いました。
  ずいぶん昔の話だ。人間がこの世に生まれたばかりの頃の話だ。
1988年3月初演 『南の島の少年マウイチキチキ』
 
 
 
 
 
1998年『マウイチキチキ』脚本画像
 
 
 
 
スタッフ 脚本/宇野小四郎 演出/遠藤琢朗 美術/片岡昌 音楽/矢吹誠